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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章    

 だってもうヴィヴィだって、限界がそこまで来ていたのだ。

 それを、匠海を虐める為だけに、必死に耐えていたのであって。

 もう兄を弄ぶ必要が無くなった途端、

 その華奢な躰を襲って来たのは、先程まで逞しいものを執拗に扱いていた反動だった。

(やぁっ やだっ 腰、止まらない……っ)

 少しでも動けば、硬いままの兄に充血したそこを抉られて。

 藁にも縋るつもりで抱き締めたのは、目の前にあった兄の長過ぎる両脚。

 立てられた両膝をぎゅうと胸に抱き込めば、

 薄い夜着では隠し切れないツンとそそり立った尖りが、張りのある大腿筋に押し潰されて。

「~~~っ あ、も、ダメェ~~っ」

 無意識に媚肉が絞まり、慾を吐き出してもなお太い肉杭の形が、手に取るように判った。

 もうそうなると、止まらなくて。

 後ろ向きに兄に跨ったヴィヴィは、甘い嬌声を撒き散らしながら、

 匠海の両膝に縋って、己の中を撹拌する。

 兄を犯しているのは自分なのに、
 
 匠海の分身の逞しさには、抗い難く。

 あと少しで手が届きそうな、兄も見た天国に、

 ヴィヴィは爪先立ちで背伸びをし――。

 やっとその中指が、天空をかすめた――その時、

「ああ、ヴィクトリアっ 駄目、だよ……っ」

 兄の制止も耳にしながらも、華奢な躰は一気に浮遊感に襲われた。

「……ッ ……はぁっ あ、ぁあっ やぁあああん~~……っ!!」

 膣口から膣内へ。

 子宮口から子宮全体へ。

 瞬時に立ち昇った快楽の火種は、全てを包み込んで焼き尽くし、

 更にはその先の、腰や背筋をも熱い炎にねぶられて。
 
 悲鳴に近い嬌声を吐露しながら、ヴィヴィは絶頂を味わっていた。

「ふぁっ ……キツ……っ」

 兄のその声も耳に入らないほど、妹は中々高みから降りて来られなかった。

 びくびくと戦慄く最奥を、匠海の鈴口が たまに霞めて虐めてきて。

(はぅう~~っ きもち、い……、きもちいいよぉ~~っ)

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