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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章
しばらくし、永い悦楽がようやく なりを潜め。
乱れた息を吐き出しながら、やっと少し正気に戻れば、
自分の膣肉が貪欲に 快楽の残滓に追い縋り、未だ はむはむと陰茎を食んでいることに気付いてしまう。
(やぁ……っ お兄ちゃんに、つ、伝わっちゃう……)
「凄いね、ヴィクトリア。ナカ、俺の「美味しいおいしい」って、頬張ってるな?」
背後から掛けられた そんな恥ずかしい指摘に、ヴィヴィは反論したくても出来なくて。
「……っ やぁ~~……」
金色の頭を緩慢に振りながら、腰砕け状態で動けない躰を、
兄の両脚に凭れ掛かって、何とか落ち着かせていた。
数分してやっと全身の震えも収まったヴィヴィは、ゆっくりと腰を上げ、何とか太いものを抜き取った。
ホッとして、兄の隣にへたり込んだヴィヴィ。
しばらくはそのまま、放心していたのだが。
不意に目に入ったその光景に、灰色の瞳が瞬きを忘れ、止まった。
「………………?」
(なんで……?
なんで、何も着いてない、の……?)
視線の先。
未だ硬さを誇る兄の陰茎。
そこにあるはずの半透明の膜が、何故か無くて。
きょろきょろとシーツの上を確認しても、その欠片さえ見付からず。
「……う……そ……」
思わず漏れた、呆然とした呟き。
「ヴィクトリア、どうした?」
異変を察知した匠海が、上半身を起こし、そう問うてくるが。
黙りこくったまま身動ぎもしない妹に、兄はとうとう強硬手段に出た。
「ヴィクトリア? 何があった? 目隠し、外すぞ?」
「……ぉにぃ……ちゃ……ッ」
薄水色のナイトウェアを纏ったまま、ぺたりと白いシーツの上にへたり込んだ妹に、
「ああ、泣きそうな顔して。ほら、何でもいいから言ってごらん?」
下に引いていた茶のバスローブを掻き合わせた匠海が、落ち着かせようと柔らかな声を掛けてくる。
「……助け、て。……やぁ……っ ゴム……っっ」
何とか咽喉から絞り出した声に、兄はようやく妹の訴えを察知した。