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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章    

「…………ふっ」

 降り注ぐシャワーの音に紛れ、零れた苦笑。


 この世に神も仏も有るものか。

 もし有るのだとしたら、自分はその首根っこを掴み上げ、足ブランブラン状態で詰問してやる。

「どうして私にばっかり、苦行を強いるのか――?」

 ――と。

 でもって、どうせどんな返答を聞いてもムカつくだけだろうから、

 その口の中に、鷹の爪を丸のまま突っ込み。

 いいや、

 もっと辛い、ブートジョロキア や ハバネロ も突っ込んでやるっ!


 頭の中でそうしている映像を思い浮かべれば、若干 胸がすく思いがして。

 何とか心を落ち着かせたヴィヴィ。

 顔を伝い、顎から滴り落ちていく大量の水滴。
  
 全身にも強めのシャワーを浴び、兄の感触を少しでも洗い流そうとするが、

 中々、取れては くれなくて。
 
 そして何故か、

 昨夜は行為後に感じていた欲求不満が、

 今夜は幾分かは ましになっていた事に、その時のヴィヴィは気付いていなかった。






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