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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章    

 白いバスタオルの下。

 直接は見えないけれど、確実に兄妹の性器は重なり合っていて。

 しかも、早々に解れ始めた慎ましやかな唇は、トロトロと淫欲のしるしを垂れていた。

「ん……、ふ、はぅ……っ は、ぁン……」

 肉芽と膣口を、逞しい匠海のものに同時に擦り付ければ、声が堪えられなくなって。

 甘く囀り始めた妹に、兄はうっとりと灰色の瞳を向けていた。

「ん。瞳の下、火照らせて可愛いね」

 触れられない分、言葉で攻めてくる匠海に、小さな顔がかっと熱くなり。

 シャツの上から広い肩に顔を埋めたヴィヴィは、また自分で自身を虐めながら、漏れそうになる声を必死に押し殺す。

「あ、こら。可愛い顔見せて」

 昨夜、目隠しをされた事を根に持っているのか。

 そう要求してくる匠海に、

「やぁっ」

 肩口におでこを乗せたまま、ふるふる首を振るヴィヴィ。

 その後も兄は、あの手この手で懐柔してきたが。

 妹は甘い声を漏らして疑似行為に耽るものの、顔を上げる事は無く。

「じゃあ、耳元でエロいこと、いっぱい囁いちゃうぞ?」

「あんっ ダ、ダメっ」

 最早、可愛い喘ぎにしか聞こえない否定の声を上げる妹に、兄は愉しそうに苦笑し。

「エロは駄目か。じゃあ、昔話」

「ふぇ?」

 兄の肩に縋り付いたまま、疑問の声を上げるヴィヴィに、匠海はそのまま続ける。

「むかしむかし、あるところに、ヴィクトリアという それはそれは愛くるしい少女がおりました」

「……少女……?」

「物凄く淋しがり屋で甘えん坊のヴィクトリア。ある日、街で匠海と名乗る悪いオジサンに拐(かどわ)されてしまいます」

「……オジサン……?」

(まだ27歳なのに、オジサン……)

 思わず広い肩から顔を上げれば、目の前にはうっとりと覗き込んでくる匠海の顔。

「オジサンは屋敷に連れ帰り、少女に様々な事を要求してきました」

「……さ、さまざま……」

(どうせエロいことなんでしょ、変態……)

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