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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第1章  

 けれど、1シーズンを丸々 休養して棒に振る事だけはしたくなかった。

 何より試合勘が無くなるし、更に技術的にも劣ってしまうのではという強迫観念もあり。

 それに、まだ現役を続けたいヴィヴィにとって、昨年の時点での休養は何のメリットも無い事だった。

 よって――、

 スケートにも試合にも必死に向き合うけれども、それ以外の雑多な事までは頑張らない。
 
 というか、もう無理。

 頑張れない。
 
 その独白を元に口から飛び出た言葉が、

『今シーズンは冬眠します』

 だったのだ。



「クリスも大学 大変だと思うのに、今年も参加してくれてありがとね?」

 浅田の礼にクリスは、

「毎年、一番楽しみにしてるショーだから、絶対に参加したかった……」

 そう、彼なりの最大限の賛辞を贈っていた。

「あ、そうそう! 双子のイギリスでのアイスショー、すっごく楽しみにしてるからねっ?」

 満面の笑顔でそう言ってくれた浅田に、双子は顔を見合わせて喜ぶ。



 昨シーズン、英国へと拠点を移した双子は、日本のみならず欧州のアイスショーへの出演も果たしていた。

 Stars sur Glace フランス・パリ

 Opera On ICE イタリア・ヴェローナ

 Art On ICE イギリス・シェフィールド

↓以下は、大学が忙しかったクリスは不参加

 Art On ICE スイス・チューリッヒ

 Art On ICE スイス・ローザンヌ

 San Valentino Gala Lancia Ice イタリア・トリノ
 
 6種類7公演もの出演は、日本で参加したアイスショー(3種類5公演)よりも多く。

 そしてその観客動員数に目を付けた英国の企業が、双子を主催としたアイスショーの開催を持ちかけてくれた。

 Twinkle ICE In ロンドン

 Twinkle ICE In エディンバラ

 もちろんそのネーミングは、双子のHP “クリスとヴィヴィの☆Twinkle☆ICE☆……(恥)” から取って名付けられたもの。

 8月30日~9月3日の4日間。

 双子の両親の実家のある2都市を回る、その親孝行なアイスショーに、

 浅田をはじめ、羽生(はぶ) 結弦など、日本人スケーターも参加をしてくれることになっていた。

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