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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章
そこから先は、記憶が曖昧で――。
腰が立たなくなるまで、最奥を愛でて啼かされた後、
この3日間、ずっと触れることを禁じられていた柔肌を、
我を忘れたように、内も外も貪り尽くしていた、兄の姿。
「お前の全てが欲しい――」
匠海はそう何度も零しながら、ヴィヴィの最奥を白く穢し続けた。
ようやくまともに意識を保てたのは、2人で寝室に籠ってから2時間経過した頃だった。
慣れないアルコールも手伝い、意識を飛ばし気味のヴィヴィを気遣ってか、
気が付けば、
先程までの むせ返る様な性の匂いから解放され、
藤色一色の薔薇風呂に浸かっていた。
「……ぉ……にぃ、ちゃ……」
喘ぎ声以外で、やっとまともな単語を紡ぎだした薄い唇。
「ん。ここに、いるよ」
リラックスしまくりの兄の返事に、
“ここ” という言葉が指し示す2つの意味を、ヴィヴィは ぽやんとしながら悟っていた。
涙と汗を湯で洗い流しながら、抱き留めてくれている兄の躰の所在と。
この期に及んで、バスタブの中でさえ解放してくれない、絶倫すぎる兄の昂ぶり。
正に、対面座位 状態で挿入されている今の状況に、
「……のぼせ、るぅ……」
長い両太ももに細い背を支えられながら、くったり弛緩して限界を訴えても、
「じゃあ、ベッド行く?」
こつりと額同士を合わせながら、続きを匂わされて。
「……~~っ」
(も、死んじゃうぅ……)
「ヴィクトリア……?」
自分の名を紡ぐ大き目の唇が、徐々に近くなり。
キスされると思った瞬間、ヴィヴィは咄嗟に顔を背けていた。
(キス……だめ……。それだけは、絶対に、駄目なの……っ)
実は、兄が主導権を奪い返してから、何度かキスを強請られていた。
それでも頑として唇を許さないヴィヴィに、匠海は苛立つ事も無く、
その度に「ごめんな?」と、優しく頭を撫でてくれて。
「ごめん。あんまりにも薔薇に包まれてるヴィクトリアが、綺麗だったから」
ふっと瞳を細めた匠海は代わりにちゅっと、おでこに口付けを落としてはくれたけれど。