この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第1章
「……え? あ、れ……?」
横倒しになったヴィヴィが、胸にぬいぐるみを抱いたまま起き上がろうとすると、
「ヴィヴィ……。女として、その無防備さはヤバいと思うけれど?」
何でか自分に向かってベッドに膝を乗せてくる、ネイサンの姿が視界に入る。
「は、はあ……?」
言われている事も、されている事も、全くもって意味不明で。
上から覗き込まれたまま、瞳をぱちくりとするヴィヴィ。
ギシリとスプリングを軋ませながら登って来た彼は、両膝で自分の身体を跨いでしまい。
「それとも、男性経験のない『ベーベちゃん』なのかな?」
「……――っ!?」
その言葉で、ヴィヴィはやっと自分の置かれた状況を把握した。
(いや、まさか……っ だって、私、ガキっぽいし……、身体は薄っぺらいし)
「ほら、暴れないと、もれなく美味しく頂いちゃうぞ?」
そう挑発しながら両手を自分の頭の傍に突いた、ネイサンの瞳はどこか濁っていて。
顔が……、
どちらかというと米国よりアジア寄りの顔が、自分へ向かって下りてくる。
「~~っっ ちょっ や!? 冗談、やめてっ」
さすがに慌てたヴィヴィは、咄嗟に胸に抱いていたぬいぐるみを、ネイサンの顔めがけて押し付けた。
「うぷっ ……アルフレッドのイラッくまと、キスしてしまった……」
微妙な表情でぬいぐるみを奪い取ったネイサンから、ヴィヴィは両腕を使ってベッドの上を後退し。
「か、か弱い女子を……っ いや、自分はか弱くはないけど、おちょくるのはやめて下さいぃ~~っ」
60cm程 間合いを取ったヴィヴィは、驚嘆しながらそう喚いた。
けれど、
「別におちょくってなんかないけど……? ヴィヴィ、性格も可愛いらしいし。最近 綺麗になったし。かなり好みだぞ、俺の」
そうしれっと “女として見れる” と言われてしまった。
「え、えぇ~~っ!?」
まさかの連続に、ヴィヴィは細い声で絶叫するしかなかった。
「今度、そう易々と男の部屋に入ったら、本当に襲っちゃうからな?」
そう忠告しながらベッドから降りたその人は、ヴィヴィに手を差し伸べてきて。