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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章
そうして、双子のHP “ヴィヴィ’S DIARY” には、浅田と映った写真が大量に並び。
心底 幸せそうなヴィヴィを目にした閲覧者達は、毎度の感想を漏らすのだった。
「ホント、ヴィヴィちゃんの “真緒ちゃんLOVE” は、フォーエバーだねえ」
2時間で会はお開きとなり。
飲み足りない者は近くのブリティッシュ・パブへ。
それ以外の者は宿泊先のホテルへと、集まって移動する事になった。
「あれ、ヴィヴィ。パブ行かないのか?」
もう日付が変わる時刻。
日本料理店前の街頭に照らされた薄闇の中、そう声を掛けて来たのは、デニス・ヴァシリエフ(ラトビア・25)。
金色の柔らかな髪に、柔和な顔つきの彼は、女性ファンが「お伽の国の王子様」と称する程の人気者。
「うん。シャンパン飲みすぎちゃって、お腹ちゃぽちゃぽ」
少しだけぽっこりしたデニムビスチェの下腹部を、掌で撫でて見せるヴィヴィ。
(今、この場でジャンプしたら、確実に「ちゃぷんちゃぷん」って言うな)
そんな色気の無い事を思いながら、アルコールで薄紅色に染まった頬で にへらと笑うと、
「今日のヴィヴィ、いつも以上に……」
10㎝の身長差から見下ろしてくるデニスに、
「ん? あ、ヘルシーって? さっきも散々「色気無い」ってからかわれたよ」
剥き出しの細い肩を竦めながら、嘆いたヴィヴィ。
「そ、そんな事無い。凄く、その、似合ってる」
何故か細切れに、言葉を発するデニスの頬が、気のせいか少し赤い気がして、
「え? あ、ありがとう」
「えっと、呑みはもういいなら、ちょっと、話さない?」
「話し?」
こてと金の頭を倒したヴィヴィ。
少々酔っぱらいながらも、デニスが “何を話したがっているのか” 思い浮かべてみる。
(あ、もしかして、このショーについて、何か言いたい事とか あるのかな?)
「ほら。この辺まだ明るいし、お店 開いてるし」
デニスの言う通り。
ロンドン中心地のそこは0時とはいえ。まだ明るく賑やかで、ほっつき歩いても安全そうだった。