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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

「そう、だねえ」

 ショーについて意見があるなら、自分は主催の1人なんだから、話を聞いてあげないと。

 ならば「ホテルのロビーで、お話ししない?」と、尋ねてみれば、

「ホテル、は……。戻ると、みんないるし」

 バツが悪そうに、まだ店の傍にいる面々をちらりと見やる彼に、咄嗟に「へ?」と聞き直せば、 

「ずっと、その……2人きりで話したいと、思ってた」

 そう言って覗き込んでくる瞳の色は、いつもの柔らかなデニスのものとは異なっていて。

「……デニス?」

「えっと、とにかく、歩こうか」

 慣れない素振りで、ヴィヴィの肩を抱いて来たデニス。

「え? あ……」

 どちらかと言えば、カッコ良い よりは 可愛い 印象の強い4歳年上の彼が、

 そんな強引な行動に出る事に まず、びっくりして。
 
 そして、次に感じたのは、

 華奢な二の腕に添えられた、大きな掌。

「………………っ」

 暖かな彼の掌が震えている――と、一瞬思ったが、

 それは勘違いだった。
 
 肩を抱かれ背を押されるも、ヴィヴィは まるでその場に根が生えたかの様に、ぴたりと立ち竦んでしまった。

「ヴィヴィ?」

 驚いて顔を覗き込んで来た、デニスの腕の中、

 薄紅色だった頬は、紙の様に色を無くし、

 薄っぺらい身体は硬く強張り、カタカタと小刻みに震えていた。


 
『貴女が悪いのです。

 いつも男に興味が無いという素振りをされながらも、

 匂い立つような無垢な色香を周りに振り撒き続けられる、

 あなたが――っ』



 小さな頭の中に響いていたのは、今からちょうど1ヶ月前、

 元執事の男から受けた、いわれなき糾弾の言葉。

 そして、その声に引きずられ、

 何とか頭の片隅に追いやっていた、

 忌まわしい記憶までもが、鎌首をもたげる――



『○○○っ! お願い、中はいやっ!

 口でするから……っ 舐めるからっ お願い――っ』



 もう、名前さえ思い出したくないその男は、

 散々 自分を辱めたくせに。


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