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第1章 　

　体幹のひねりから俊敏に振られる首の動きは、さすが双子――寸分の乱れもなく。

　ホールドを解き、華奢な身体を外へと開いたクリスにより、

　ヴィヴィは膝上まである深紅の裾をはためかせながら、細やかなツイズルを畳み掛ける。

　手首を掴んで引き戻され、またホールドを組んだ双子は腰を落とし、外側へすらりと開脚した長い脚をこれでもかと見せつける。

　じれったくなる程ゆっくりと腰を持ち上げていったかと思えば、

　俊敏にクリスの太ももに片脚を絡めさせたヴィヴィが、兄のリードによって繋がったまま、くるくると旋回させられ。

　絡ませた片脚の先――互いの腰を密着させた状態で、ヴィヴィが後ろへのけ反れば、

「キャ～～っ！！！」

　悲鳴以外の何物でもない歓声が、互いの鼓膜を震わせていた。

　妹の上半身を戻させたのち、双子は額を触れ合わせながら、ステップへと移行する。

　互いに片脚で細やかに踏み分けながらも、時折ヴィヴィが腰を左右に振って、クリスを誘う。

　掌で深紅のスカートを巻き上げながら、太ももを抱き寄せようとしてくる兄に、妹は片脚を後ろに大きく振り上げ、

　それは背を仰け反らせた金の頭よりも更に高く、しなやかな曲線を描いていた。

　それぞれ、競い合うように２種類のジャンプを跳びあい。

　２年前に修得し、それから幾度も練習を重ねたデススパイラル（手を繋ぎ合い、中心の男の周りを女が氷と水平に円を描く）を披露する。

　そして、今回の目玉――

　くるくるとクリスの腕の中で回転させられる、ヴィヴィの腰に右腕を添えた兄。

　その腕の支点に、左手で導かれた華奢な肢体が、空中で大きく開脚しながら後方へと回転する。

　いわゆるバクフリップ（バク天：試合では禁止されている）を披露した双子に、悲鳴と大喝采が上がった。

　両手を掴んだクリスの股の間を、ヴィヴィが足先から潜り抜け。

　氷上に座り込んだ妹を、片脚を前に伸ばして跪いた兄が、自分の方へと引き寄せる。

　ぐっと後ろに背をしならせたヴィヴィの腰だけが、徐々に足の上を引きずり上げられていく。

　兄の黒パンツに覆われた脚の上に背を添えていた、妹の黒レースの胸から持ち上がり、

　やおら官能を煽る背のしなり具合で、クリスの腰の上に跨りながら起き上がった。