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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

 ジュリアンは己の愛弟子である 成田・下城組に駄目出しした後、自身の恩師でもあるショーンコーチと賑やかにしていたが。

 ヴィヴィが傍に寄ると、嬉しそうにハグしてくれた。

「お疲れ様。とても見応えのある、良いショーだったわ」

 珍しく褒めてくれた母に、ヴィヴィは思わず きょとんとしてしまった。

 まあ、それもそうか。

 もうジュリアンは、双子の “ただの母親” で、コーチではないのだから。

「私達は今夜、ワイアット邸(エディンバラのジュリアンの生家)に泊まるわね? そういえば、匠海はどうするのかしら?」

「え……?」

 続けて発された母の言葉に、どくり と焦燥の鼓動を立てた、薄い胸。

「会場では、匠海と一緒だったんだけどねえ? 人が多くて。でも、パーティー会場には、いるんじゃない?」

 赤いパンプスで爪先立ちになったジュリアンは、背伸びしながら辺りを伺うが。

「僕は、さっき、バックヤードで会ったよ……」

 そう言いながら近付いて来たクリスにも、ジュリアンは労いの言葉とハグを贈っていた。

「兄さん……。パーティー、誘ったけど「遠慮しておく」って……」

 くるりと妹を振り返った兄は、いつも通りの静かな口調で、上の兄の言葉を伝え。

「ふうん」

 伝え聞いた妹は、どうでもよさそうに、そう短く相槌を返すだけだった。

「ねえ、クリス。一緒に関係者の皆さんに、ご挨拶に行こう?」

「うん……。僕も、ヴィヴィを誘いに来たんだ……」

 最初の1時間。

 双子はシャンパン片手に、主催者、協賛会社、製作会社を始めとする、各企業にお礼と挨拶をして回り。

 そして、後援である、

 日本スケート連盟

 英国国立スケート協会
 
 その両者にも、ショーへの協力の感謝を述べに行った。

 挨拶する度に乾杯していたので、その1時間だけで結構な量のシャンパンを呑んでしまい。

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