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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

「ちょっ!? な、何なの、この変なタンゴの曲はっ?」

 目を白黒させて、ヴィヴィに振り回されるヴィヴィアンに。

 傍で面白がっていた成田 達樹が、

「日本で だいぶ昔に流行った童謡『ダンゴ3兄弟』だよ」

 そう説明すれば。

「確かに、タンゴ調の曲だ~、あははっ」

 面白がった下城 舞は、ヴィヴィと一緒に歌い始めて。


♪チャッ チャッ チャッ チャチャッ

 チャッ チャッ チャッ チャチャッ

 一番上は 長男 長男

 一番下は 三男 三男

 間に挟まれ 次男 次男

 ダンゴ3兄弟 ジャージャンっ♪


 童顔の顔を きりりっと引き締め、リードしていくヴィヴィと、

 焦った様子ながらも、徐々に素晴らしい運動神経で、タンゴのステップをものにしていくヴィヴィアン・リー。
 
 2人の21歳女子の周りには、人だかりが出来、写真や画像が撮られまくられ。

 その結果、翌日には、

“あの犬猿の仲の ヴィヴィアン・リー選手と ヴィクトリア 篠宮選手、仲良くタンゴを乱舞!?”

 ――との見出しが、日米英の各メディアを賑わせていたのだった。






 21時から始まった打ち上げパーティーは、24時で終了となり。

 かなり出来上がった状態のヴィヴィが、あっちへフラフラ、こっちへフラフラと、なっていたところ。

「危なっかしいよ、ヴィヴィ……。部屋まで、送ってあげる……」

 そう言って支えてくれたのは、他でもない双子の兄だった。

「はひ~~」

 すでに呂律も怪しいヴィヴィは「これからエディンバラの繁華街で飲む!」という猛者達に別れを告げ。

 明日の朝、朝食ビュッフェを皆で摂ろうと約束を交わし、部屋へ戻る事にした。

 4階の部屋まで昇るエレベーターの中、2人きりになった途端。

「えへへ~。クリス撫でなで~~♡」

 酔ったら何故か頭を撫でたくなるヴィヴィは、背伸びしながらクリスの金の髪を撫でまくっていた。

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