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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第7章
「……えっと、あの……その……」
ちらちらと同席している女性へと、視線を送る妹に、
「ああ、こちらはMs.ラングトン。出身がオックスフォードで、俺のとすぐ傍のカレッジだったから、話が弾んでね」
「そ、そう……」
その後、女性にもヴィヴィを紹介した匠海。
「あらまあ、知っているわ! ヴィクトリア 篠宮選手でしょう? ここ連日、貴女達をテレビで観ていたの。光栄だわ、こんな所でお逢い出来るだなんてっ」
興奮気味の女性は、ヴィヴィも この秋から同窓生になる事に喜んでくれ。
そうこうして、エグゼクティブ・ラウンジを辞去した兄妹。
モダンな廊下を進む最中、
一歩前を歩く匠海が、ちらりとこちらを振り返って来た。
「お前……」
その切れ長の瞳に、どこか咎める様な色を見つけ、
「……な、なによう……っ?」
ヴィヴィは警戒しながら、そう言い返す。
「……いいや、何でもない……。ほら、どうぞ」
辿り着いた部屋の前、カードキーで開錠した扉を開き、中へと促され。
「………………?」
微かに首を傾げながら、躊躇無く部屋へと脚を踏み入れたヴィヴィは、
「きゃっ!?」
数秒後、そんなか細い悲鳴の声を上げていた。