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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第7章
(ソファーでコトに及んだのは、正解だったな……)
スウェード張りの黒ソファーの背面に右半身を預けながら、ヴィヴィはそんな事を思っていた。
黒のチュールスカートの影、己を穿つ兄は、一度も熱を放出していないのに。
自分1人、ぬかるんだそこに太いものを迎え入れた瞬間、果ててしまって。
その後も、何度も――
だから、
「挿れただけで、イっちゃったな?」
「ヴィクトリア……、中、凄く熱いぞ?」
なんて匠海からの指摘にも、ぐっと我慢して堪えるしかない。
TWIの間、3夜立て続けに見させられた淫夢。
それはもしかしたら、今日のこの日を暗示していたのだろうか?
「…………深酒、したのに」
潤った唇から洩れた、心底悔しそうな声に、
「うん?」
広いソファーの座面。
黒ストールで両腕を拘束された匠海が、興味深そうに自分を見上げてくる。
「……何でもない」
“とにかく、(牛乳)飲む! 走り込む!! 泳ぎまくるっ!!!”
上記の欲求不満・解消法に、
“それでも駄目なら、深酒する!!!!”
で駄目押しすれば、完璧――!
そう、高を括っていたのに。
(……いや、もしかしたら……。お兄ちゃんに、会いさえしなければ……)
下から兄に貫かれたまま、右半身だけソファーに凭れ、しばしの休息を取っていたヴィヴィ。
そんなに疲れているのなら、匠海に抱いて貰えばいいじゃないかって――?
冗談じゃない。
“自分が匠海を抱いている” のだ。
己の欲求不満解消――その為だけに。
ベッドで寝転んで、休息を取ったが最期。
易々と兄に主導権を奪われるのは、目に見えていた。
だから、
“ソファー” でコトに及んだのは、正解だった――。
とは言っても、ずっと休憩している訳にはいかず。
背凭れから半身を起こし、両手を兄の顔の傍へと突き。
また、太く硬いもので、己を慰めようとした、その時。
「熱は……無いな?」
拘束された両腕を上げ、自分のおでこに触れてきた兄に、
「え……?」
その行動の真意が読めず、妹はきょとんとした。