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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第7章      

 震える指先で、皮膚の抉り取られた生々しい傷を、指摘した妹に対し、

「ああ……。ふっ “ヴィクトリアの痕” だ」

 そう、どう見ても嬉しそうな反応を示す兄。

「ご、めん、なさ……っ」

 もはや色を失くし、顔面蒼白で謝罪するヴィヴィに、

 匠海はやっと「妹が脅える理由」を悟ったらしい。
 
 くすりと甘い笑みを零したかと思えば、至極幸せそうに妹の頭を撫でながらあやしてくる。

「大丈夫だよ。お前にしか、この躰は見せていない。だから、大丈夫」

 兄のその絵空事が、鼓膜を震わせた途端、

 妹の脳裏に過ぎったのは、他でも無い、

 いつも美しく微笑む、義姉の顔。

「……――っ」



 なんで……?

 どうして、そんな酷い嘘、

 平気で吐けるの――?



 血の気が引き、酸素供給の乏しい小さな頭の中を、駆け巡っていたのは、

『あら? どうしたの、この傷?』

『ん? ああ、道端で拾い上げた “子猫” が暴れてね』

『ふふ、なぁんだ』

『ん?』

『浮気でもしたのかと思ったわ?』

『ふ。まさか』

『そう? 匠海さん、モテるから』

『おや、ヤキモチ?』

『そりゃあ……』

『あのなあ? 綺麗な妻 と 可愛い子供 がいるのに、そんな馬鹿な真似、しないさ』

 そんなありきたり過ぎる、夫婦の会話だった。



 気が付けば、渾身の力で逞しい胸を押し返していた。

 普段ならビクともしない匠海は、ヴィヴィが静かに憤怒しているのを悟ってか、あっさりと引き下がった。

 ぬぷりと卑猥な音を立て、抜き取られた兄のもの。

 自分の隣に腰掛けた匠海に馬乗りになったヴィヴィは、分厚い胸板を押し、シーツの上へと倒させる。

「ヴィクトリア……?」

 呼び掛けてくる兄に見向きもせず、ヴィヴィは覆い被さると、舌を這わせ始めた。

 自分の薬指の爪に表層を剥ぎ取られた、生々しい傷痕へと。

 それと時を同じくし、

 兄の太さに綻んでいた膣口からは、2人分の体液がとぷりと溢れ落ちていた。

 途端に鼻をつく、青苦い性の匂い。

 そして、口内に広がる鉄の味。

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