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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第2章    

 袖をたくし上げた、程よく色落ちしたデニムシャツに、パールのロングネックレス。

 ウェスト高めのベージュのフレアスカートは上品なシルエットで、

 27歳の子持ちの女性に相応な こなれ感があって。
 
 嫌味無い程度に巻かれた黒髪も、艶があって。 

 おもわず じいと見つめてしまったヴィヴィに、

「あのCM、凄く綺麗だったな?」

 そう声を掛けて来たのは、他でもない匠海。

「……え?」

 思わず顔を直視しそうになり、ヴィヴィは上げかけた視線を、兄の顎元で何とか留めた。

「うちの部の皆からも、「あの可愛かったヴィヴィちゃんが、大人になりましたね」ってよく言われたよ」

「……そ、う。皆さん、お元気?」

 高校3年の1月、ヴィヴィは父の会社に訪れた際、匠海の部署に挨拶に行っていた。

「ああ。ヴィヴィは、元気だった?」

 互いに1年3ヶ月ぶりに交わす兄妹の会話は、傍目にはきっと以前と変わらない筈。

「うん……、見ての通り」

 逞しい咽喉仏を見つめながら瞳を細めてみれば、何故か視界がぼんやりと霞んだ。

「あ、そんな事より、ヴィヴィ。あんた、まだ会ってなかったでしょう? 匠斗(たくと)に」 

 そう言ったジュリアンの腕の中には、赤ん坊――と言うには大きくなった子供が抱かれていた。

 匠斗――。

 そう、自分の甥っ子は、確かにそんな名前で。

 一度だけ目にした産まれたての時の写真とは、当たり前だが違う顔をしていた。
 
 眉は少しハの字で、その下の焦茶色の瞳は真ん丸だけれど、少し奥二重で。

 ちっちゃな鼻はぺったんこで、唇の形は……よく分からない。

「ヴィヴィ、お目めはグランパに似てるだろう?」

 父が自分の灰色の瞳を指さしながら聞いてくるが、

「え、そう?」

 似ていると言われれば、似ているような。

「耳の形は、私に似てるのよ?」

 (血の繋がりが無いのに)まさかの主張をしてくる母に、

「え……、そんなマニアックな……」

 ヴィヴィは困りながら、そう零す。

 両親が美男美女なのだから、今は特徴のない顔だけれど、成長したら美しい子に育つのだろう。

 どこか他人事のように遠巻きに見つめるヴィヴィに、立ち上がったジュリアンが近付いてきて、孫を見せてくる。

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