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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第8章    

『最強JAPAN終結!!

 氷の季節の始まりに

 相対する、世界――

 シーズン最初の真剣勝負!』



 9月29日(金)。

 前日にロンドンを発ち、本日7:20に羽田に到着した双子は、そのまま さいたまスーパーアリーナへ移動し。

 ジャパン・オープン前日の、公式練習へと参加した。

「そっか~、こんなのやってるんだねぇ~」

 夕刻。

 会場の控室でストレッチをしていたヴィヴィは、視界に入った液晶テレビに、ぽそっと呟く。

「ん?」

 傍でスケート靴の手入れをしていた、村下 佳菜子(29)の相槌に、

 ストレッチマットの上、ぺったりと開脚前屈していたヴィヴィは、頭だけで振り返った。 

「あ、んっと。英国では日本のテレビ、観てなくて。ってまあ、前からテレビ、観ないんだけど……」

 明日に試合を控え、主催である東京テレビでは、番宣番組が流されていた。

 英国まで取材に訪れ、その際の公開練習の映像も映し出され。

 ショーンコーチと、淡々とジャンプ練習を重ねるクリスと、

 サブコーチにステップの駄目出しをされている、ぼさぼさの髪のヴィヴィが、公共の電波に乗っていた。

(何か、テレビに出てる自分って、自分じゃないみたい……。て、まあ、今更だけど……)

「ふわわ……」

 涙目で欠伸を零すヴィヴィに、

「あ~、時差9時間だっけ? そりゃ、眠いよね~?」

 美しい富士額の下、にっこり瞳を細めた村下は、そう同情してくれたのだった。
 





 その一時間後――

 三角形の飾りが施されたマイクを握り、今大会の日本代表ジャージを纏った男女2人が、テレビモニターに映し出されていた。

「中継接続まで、30秒前ぇ~」

 東京テレビの中継スタッフの声掛けに、リンクサイドにスタンバイしていたヴィヴィは、ぴしりと背筋を伸ばす。

 そして、視線の先。

 床に据え置かれたテレビモニターには、東京テレビのスタジオの様子が、リアルタイムで映し出されていた。

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