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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第8章    

「ふぎゃあっ!?」

 思わず変な声で喚いたヴィヴィに、匠海は「ふぎゃあって」と可笑しそうに吹き出す。

「ん~~でも、本物の威力には太刀打ち出来ない。愛らしく乱れるヴィクトリア見てたら、すぐイっちゃったよ」

 後ろから、首筋にちゅっちゅっと吸い付かれながらも、

「……へ、変態……」

 ヴィヴィは、未だ鼓動を跳ね上げたまま、ぼそりと突っ込んでいた。

(妹の前で……っていうか、異性の前で自分で……だなんて、変態さん、なんだもんっ)

 なのに。

 匠海がそんな事で、へこたれる訳も無く。

「ほら、俺の精子、塗り拡げられて、清楚な乳首がビンビン」

 臍に溜まっていた白濁を掬った指先は、

 小さな乳輪と尖りを、くりくりと虐め始めて。

「ひ……っ ぬ、塗っちゃ、いゃん」

 こんな事をされるのは、本当に初めてで。

 青臭い匂いが鼻をつくのに。

 それが匠海の匂いだと思えば、何故か、

 ヴィヴィはもっと、そうして欲しくもなった。

「見てごらん。ヴィクトリア、男の娘(おとこのこ)みたいだな?」

 匠海の指摘通り、

 まるでヴィヴィの金の茂みから、華奢な肢体には不釣り合い過ぎる、逞しいものが生えているようにも見えて。

「~~~っ 変態過ぎるっ!!」

 絶句ののちに喚いたヴィヴィ。

(もうっ 何で私、こんな変態、愛しちゃってるんだろっ!?)

 若干 己自身にも腹を立てながら、匠海から腰を上げ、シャワーの傍へと逃げた。

 ノブを捻り、勢い良く吐き出される暖かな湯を、兄の顔へと向けてやれば。

 「うわっ やめろ」と愉しそうに立ち上がり、簡単に妹の手からシャワーを奪ってしまう。

「ほら、綺麗にしてあげようね」

 自分で汚したくせに。

 白濁を洗い流した匠海は、細い背と小さな尻も、掌で撫で上げながら流してくれた。

「ほら綺麗になった。ヴィクトリア、こっち向いて?」

「なあに?」

 濡れてしまった毛先を気にしながら、振り向いたヴィヴィに、匠海はにっこりと微笑み。

「好きだよ」

 そう、不意打ちで告白してきて。

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