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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第8章    

「どうして? ああ、そっか。試合の為か」

 何の支えも必要とせず、ぬぷぬぷと、亀頭の先だけを抜き差ししてくる兄に、

 シーツの上の背筋が、じりじりと痺れを切らし始めていた。

 確かに兄の言う通り。

 ジャパン・オープンの1週間後に控える、GP初戦のNHK杯。

 それに控えて、ピルを服用しているのもあるけれど――

「お……、おにぃちゃんの、全部! ヴィヴィ、が……っ」

(他の誰でもない “私” が……っ 全部、全部、受け止めるんだもん――っ)

 その想いが、どれほど危険を孕んだものか、

 判ってはいるのに。
 
 どうしても止められない渇望に、

 また眦に滲む、様々の味が溶け混んだ涙。

「ああ、何て可愛いんだろうっ」

 感極まった声を上げながらも。

 ヴィヴィの躰を気遣いながら、ゆっくりと己を沈めてきた匠海。

 待ちに待った愛おしいものが、己の奥を徐々に拓いていく感覚に、

 思わず漏れた、満たされた溜息。

 それは兄も一緒で。

 最奥の一歩手前まで捻じ込んだ後、絡めた両の指をきゅっと握り締め。

 そして形の良い唇から洩れたのは、色気たっぷりの深く満足した溜息だった。

「んん……、おに、ちゃん、の……っ」

 中からみちみちと押し広げてくる、匠海の逞しさに。

 大きな瞳を、夢見るように細めたヴィヴィ。

 緩く折り曲げていた細い両脚が、震えながらも しっとりと、逞しい腰の上に回されて。

「ああ、ヴィクトリアの きゅんきゅんしてる “ここ” に、俺がいるよ」

 昂ぶりをぴくぴくと震わせる匠海に、ヴィヴィは己の所在を確認する。

「……私……、お兄ちゃん、の……、だよ、ね……?」



 だから、

 だから、こんな赦されない罪……

 また、犯してるんだよね……?



 妹のその気持ちを知ってか知らずか。

 やや充血し始めた瞳を濁らせた兄は、小さな顔を覗き込みながら宣言する。

「……そうだよ……。お前の全ては、俺の物だ」

 その有無を言わさぬ声音に、しばし、しんと静まり返った寝室。

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