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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第2章    

「じゃあ、私は先に休みます~~。みんな、く・れ・ぐ・れ・もっ 呑み過ぎないように――っ (-_-)」

 リビングとダイニングに集う一同を見渡し、ヴィヴィが半眼でそう注意を促せば、

「あんたにだけは、言われたくないわっ!」

「う~~ん、これはお酒の席には、クリスに同席してもらわないと……心配……」

「ヴィヴィ……。酒、弱……」

 そう両親と匠海から返事が返って来て。

「おやすみなさい、ヴィヴィちゃん。ふふ、酔っ払っても本当に可愛いわ」

 その中でただ1人、にっこりと極上の微笑みを向けてくれた、瞳子なのであった。





 その後――

「クリス?」

 自分の部屋への前へと辿り着いたヴィヴィが、手を引いてくれていたクリスを見上げる。

「ん……?」

「ありがと、クリス♡」

 背伸びをし、双子の兄のほっぺにちゅっと、お礼のキスを贈ったヴィヴィ。

 ポロシャツの首筋から立ち昇る、嗅ぎ慣れたクリスだけの香りに心底ホッとして、そのまま首に縋り付いてハグした。

 いつものヴィヴィなら、あまりしないその一連の行動に、

「……可愛い……、でも、酔ったらキス魔……? それは、困る……」

 ひしっと抱き締め返してくれたクリスが、何やらボソボソと呟いていて。

「うん……?」

 胸の中で不思議そうに唸ったヴィヴィに、クリスはゆっくりと抱擁を解いた。

「なんでもない、おやすみ、ヴィヴィ……。良い夢を……」

 就寝の挨拶と共に、おでこへの柔らかなキスを落としたクリスは、妹が部屋の中に入るまでそこに居てくれて。

「うん、おやすみなさ~~い」

 そう軽く返したヴィヴィは、扉を閉め。

 遠ざかって行くクリスの足音が小さくなったのを見計らい、

 いつもは掛けない私室の鍵を施錠した。




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