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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第9章
「え~~? どしてェ~~?」
双子が喰い付いてくる、と思っていたのだろう。
少々丸顔の頬を膨らませ、不服そうなダリルの追及に、双子は同時に互いの顔を見つめた。
「う~ん……。自分達も最初は “珍獣を見るような目” で、見られてたからね……」
クリスのその返事に、ダリルはようやく納得したらしく。
「あ~~、なるほどネ。そっか、それもそうよネ。こっから王子のクライスト・チャーチまで、徒歩10分だし。近い内にその辺ですれ違うわよネ~~」
胸の前で両腕を組み、赤毛のウィッグを付けた頭をうんうんと首肯する。
そんな同居人の片腕に、腕を回したヴィヴィ。
「でも、新入生や編入生が続々と揃い始めて、なんか「いよいよ」って感じだね?」
「まあネ~~。はぁ……、また “魔の8週間” が始まるわぁ~~」
げんなりするダリルを傍目に、ヴィヴィは鼻息荒く両の拳を握り締め。
「さあ、来週から新学期! 気合入れるぞ~~っ」
そう元気一杯、自分を鼓舞したのに。
「空回り、しないようにね……」
クリスからは、そんな酷い突っ込みを受け。
「え~~っ」
不服そうに唇を尖らせたヴィヴィに、
「あははっ 確かに~」
ダリルは声を上げて笑ったのだった。