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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第10章     



Omnia Sol temperat
purus et subtilis,
―太陽は清く優しく 万物を暖め

nova mundo reserat
faciem Aprilis;
―四月が新しい世界に その姿を示す

ad amorem properat animus herilis
et iocundis imperat deus puerilis.
―人々は愛の神クピドの命令のもと
 愛を追い求める



 バリトン独唱を微かな囁き声でなぞり、

 カレッジの年季が入った石段を、一段一段 踏みしめる。



Rerum tanta novitas
in sollemni vere
―万物は 春の賑わいの中で蘇り

et veris auctoritas
jubet nos gaudere;
―春の力は 我々に喜べと命ずる

vias prebet solitas,
―慣れた道を指し示し

et in tuo vere
―お前の春に

fides est et probitas
tuum retinere.
―お前の愛を守る事の 真正さを説く



 1階のチャペルから、オールドライブラリーへ続く階段には、

 開け放たれた扉から、春とは真逆の凍えそうな冷風が吹き抜け。

 巻いていた厚手のストールの下、華奢な肩が ふるると震え上がる。

 後15段ほど残し、途中の踊り場に辿り着いたところで、

 こつり、こつりと、誰かの足音が響いて。

 ふっと顔を上げた先、こちらに気付いて立ち止まった相手。

「………………」

 互いに何も発さず、しんと静まり返った構内。

 ブーツに包まれた脚が、再びコツリと階段を登り始める。



Ama me fideliter.
―私に誠の愛を与えよ

Fidem meam nota;
de corde totaliter
―我が誠実を知りたまえ

et ex mente tota
sum presentialiter
absens in remota.
―たとえ遠く離れようとも
 私の心のすべては お前と共にある



 件の歌詞を口ずさみ。

 そして、いつも思ってしまう。





 どうしてこの歌は “ここで終わり” じゃないのだろうと。




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