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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第10章     

 ただ、そんな事では終わらないのが、ネット、SNSが発達したこの時代。

 一国の王子 & フィギュアの世界女王

 こんな話題をかっさらうコンテンツを、周りが放って置く筈も無かった。

 どこから漏れたのか、真っ先に嗅ぎ付けたのが英国のメディア。


『モニャコ公国の王子様・氷の女王にご執心!?』


 そんなベタな煽りで、スクープとして報道されたのをキッカケに、

 ヴィヴィの祖国・日本

 王子の出生地・フランス

 それぞれから、メディアが押し掛け――





 ――で、GPファイナルまで2週間を切った現在、

 こんな馬鹿げた状況に陥っていたりする。





 もちろん篠宮邸の前にも、報道陣がべったり張り付いていて。

 それでも何とか、屋敷の中に戻れたヴィヴィ。

 女子マネがセッティングしてくれた、テレビ電話での緊急会議が、1階のライブラリーで速攻開かれた。


篠宮邸:
 双子・女子マネ・執事・(冷やかし枠・ダリル)

ING LONDON:
 広報担当者
 
オックスフォードSC:
 ショーンコーチを初めとする関係者

郊外のホテル:
 王子・モニャコ公国関係者

 
王子
「俺は全然、騒がれてもいいんだけど?」

ヴィヴィ
「……~~っ!? ふざけんなぁ~~っっ!!!」

コーチ
「あのねぇ、試合まで、後2週間なんだけど……」

ING
「我々はヴィヴィにはまだ、男のイメージを着けたくない。
 ただスポンサーは、相手が王子様で喜んでいる」

女子マネ
「日本スケ連からは「一刻も早くの混乱収束を求む」との事です」

朝比奈
「篠宮家からは「娘に一任する」との事でした」

モニャコ公国
「王子の浮名はいつものこと。プライベートには関知しない」

クリス
「………………」


 そんな ぐっちゃぐちゃの緊急会議が執り行われ。

 結論から言うと。


『王子はクリスの親友。ヴィヴィとは単なる学友』


 上記を、フィリップ自身がカメラの前で公にするという事で、決着を見た。

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