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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第10章

お願い。
早く、その熱を私にも分けて?
奥の奥までぴったりして、ぎゅうってして。
そして、一緒に融け合おう――?
そんな気持ちを、必死に込めたのに。
何故か埋めたままの2本の指で、膣内を掻き混ぜ始めた匠海。
「あっ やぁ……。も、やだぁ~~っ」
室内に響く蜜音よりも、薄い唇から零れた声の方が濡れていた。
「ん? 何が「やだ」?」
少し躰を離した匠海が、互いの額を合わせながら意地悪く問うてくる。
「いっ いじわっ!? あっ あんっ だ、めぇ……」
「意地悪」と詰ろうとした妹の最奥――ぷっくりしたそこを、本日初めて指の先で突かれて。
途端に甘い嬌声を上げたヴィヴィを、匠海は至近距離で見つめ、顔中に唇を押し当ててくる。
そして、
「……っ!? あっ ~~っ あぁああああんんっ!!」
兄に縋ったまま、本日何度目になるか分からない絶頂を迎えさせられた。
焦らしに焦らされた一連の行為に、頭の芯がじんじんと痺れていた。
ようやく引き抜かれた指に、くたりと弛緩したヴィヴィ。
霞む視界の先、ゆっくりと上体を起こした兄の輪郭。
物憂げに二三度瞬けば、やがてクリアになりだした灰色の瞳は、
己の片脚を恭しく抱え上げ、何故か細いそれに頬ずりをしている匠海の姿を捉えた。
「ほら、ヴィクトリア。厭らしく、おねだりしてごらん?」
「……や、やぁ……」
波打つシーツの上、金の頭を弱々しく振って抵抗しても、匠海は許してはくれない。
「俺……『怒ってないよ』って、言ったよな?」
「……ふぇ……?」
何の事か咄嗟には判らなかったヴィヴィの、その腑抜けた声に、
「王子だよ、王子!」
切れ長の瞳を眇めながら、指摘してくる匠海。
(え? 王子……? ……あ……っ)
ようやく匠海が何にこだわっているかを察知したヴィヴィは、何とも言えない表情を浮かべた。
「あ、ぅん……」

