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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第10章     

「ほら、言ってごらん? そんな清楚な顔じゃなくて、俺だけが知っている、ヴィクトリアのエロい貌、見せて?」

「……~~っ」

(む、無茶言わないでぇ~~っ)

 薄い胸の中で、そんな悲鳴を上げたヴィヴィ。



 確かに自分は、これまではしたない言動を山ほどしてきた。

 しかしそれら全てには、止むに止まれぬ “事情” と “状況” が在ったのだ。

 だから切羽詰まったヴィヴィは、卑猥な発言も行為もした過去があるが。

 何も「やる気満々でやった」とは思わないで欲しかった。



 半泣き状態で、赦しを求めて見つめる妹に。

 撫で上げていた脚を降ろした兄は、また覆い被さってきて。

 そして、金の繭に隠された耳に、掠れ声で吹き込んだ。

「ほら……「ヴィヴィのお○○○に挿れて?」って、言ってごらん?」

 兄の囁いた卑猥な言葉を、認めた途端。

「や……だぁっ ぃやぁ……」

 とうとう灰色の瞳からは、ぼろぼろと大粒の涙が零れ落ちた。

 21歳の女である自分が、守り抜きたい最低限の矜持。

 それさえも破らせようとしてくる酷い兄の言葉に、訳が解らなくなって。

 幼児の様に「ひっく」と嗚咽を洩らし始めたヴィヴィに、匠海はもう我慢出来なかったらしい。

「はぁ……っ ああ、可愛いっ もう、食い散らかしてやりたいっ」

 吐き捨てるように発した匠海は、顔を覆っていたヴィヴィの両腕を掴み、シーツにへ縫い止めると。

 その泣き顔を覗き込みながら、一気に最奥まで剛直を捩じ込んできた。

「……――っ!? ひっ イ……っ ぁあんっっ」

 30分も翻弄されたそこは、蜜壺以外の何物でもなくて。

 トロトロに蕩け切った、だらしない膣粘膜に包まれた匠海が、

「あ~~……っ やばいっ」

と、同じく締りの無い声を上げたのは、仕様の無い事だった。

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