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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第10章
「で、誰?」
「お、教える訳無いでしょ?」
ずばり核心に迫ろうとするフィリップに、驚嘆したヴィヴィの声がひっくり返る。
(て、てか、教えられませんっ 「実のお兄ちゃんが相手」だなんて)
「何でさ? 教えてくれないと、会いに行けないじゃないか?」
「……は……?」
意味不明な返しをする王子に、前髪の影 微かに眉間が寄る。
(会いに行く? 何で? 何の為に?)
しかし、寄越された返答は想像を絶するものだった。
「ご本人にお会いして「ヴィーは俺の運命の女性だから、貴方は諦めて下さい」って説得すればね、大抵の男は引き下がってくれると思うんだよね。だって俺、王子様だし?」
「~~~っ あんたは馬鹿かっ!?」
職権乱用(?)にも程がある、とんでもない理論を展開しやがった相手に、思わず椅子から立ち上がったヴィヴィは絶叫し。
そんなヴィヴィを、さも面白い動物を観察するように見つめるフィリップは、腹を抱え爆笑していたのだった。