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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第11章
たぶん、しばらく意識が途切れていたのだと思う。
いつの間にかベッドの上に横倒しにされていた自分は、未だ深くまで兄のものを銜え込まされていた。
ガラスに映りこんだ己のあられもない姿に、うっっそりと見惚れてしまう。
金の恥毛は濡れそぼり、その下の膣口は兄の白濁と己の蜜で どろどろに汚れているのに。
それでも愛おしそうに後ろから抱き締められているその姿は、相変わらず貧相なのに、何よりも美しく素晴らしいものに思えた。
最愛の兄に愛される、自分の躰。
「可愛いよ」
「綺麗だよ」
そう褒められながら、慈しんで貰える己の全て。
(なんて、幸せなんだろう……。
1年に1度しか巡って来ない この日に、
大好きなお兄ちゃんと、
一緒にこうして、繋がれて……)
だから。
ゆっくりと己から抜き取られていく、兄の気配を感じた途端、
「……ぬ、ぬいちゃ、だめぇ……っ」
薄い唇からは、そんな懇願が零れていた。
「ん? もっと奥までって?」
嬉しそうに後ろから囁いてきた匠海は、半ばまで抜いてしまっていたそれを、ゆっくりと埋め込んでいく。
ぐちゅ……ぎゅぷ……。
粘度の高い液体を押し出す音と共に、繋がったそこからは収まりきらなくなった白濁が溢れてきた。
生温いものが尻の間を伝い落ちていく感触に、ぶるりと肩を震わせると。
後ろから抱き寄せてくる逞しい腕に、あやす様に力が込められた。
愛しい男の顔を確認したくて。
ちらりと後ろを振り返れば。
自分を見下ろす匠海の顔は何故か、幸せを滲ませる己のそれとは正反対の表情が浮かんでいた。
「……怒って、る、の……?」
険しく寄せられた眉間が、酷く余裕を欠いたものに思えて。
「別に……怒っては無い……。また、嫉妬してるだけだ」
どこか不貞腐れて、ややぶっきら棒に言い募る匠海。
「え……?」
(嫉妬……? え、てか “また”……? で、でも、今度は「誰」に?)