この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第11章        

 2週間前にも、



『確かに「怒ってはいない」けれど「嫉妬」はしている。

 お前の傍にずっといられる男達に……。

 もちろん、クリスや朝比奈にも』



 等と、度を越したヤキモチを焼いてくれた自分の兄。

 今回は思い当たる節のないヴィヴィは、困った様に眉をハの字にしていると、

 答えは目の前の男から与えられた。

「あの、長髪野郎っ 調子に乗って、ヴィクトリアにベタベタしやがって!」

「………………」

 大きな瞳を ぱちくりとさせたヴィヴィ。

 一瞬、誰の事だか判らなかったが。

 自分の知る “長髪野郎” なんて、ただ一人――元・楽器講師しか思い浮かばず。

「…………ふふ」

 ふと漏れてしまった笑い声に、

「笑うな!」

 匠海は不服そうに命令してくるが、そんなの全然怖くも何とも無い。

「ふふ。だ、だってぇ~~」

(もう、お兄ちゃんったら、ホント可愛いなあ~~♡)

 本日のエキシビで、軽く腰を抱かれた事なんて、当の昔に記憶の彼方に追いやっていたのに。

 そんな他愛も無い事にさえ、過敏に嫉妬してくれる匠海は、もう本当に可愛くて。

 しばらく笑いが止まらず、暖かな抱擁の中でニヤニヤしてしまった。

 流石に このままでは格好が付かないと思ったのか。

 妹を後ろから抱き込んだまま、躰を起こした兄。

 ガラスに映りこんだヴィヴィに、事実を確認し合う様に問い掛けてきた。

「誰のが、挿ってる?」

「ん……。おにぃちゃん……」

 幸せそうに薄い腹を撫でたヴィヴィに、匠海の表情は少し軟化した。

「この愛くるしい、ちょっとエッチなヴィクトリアは、誰のもの?」

 細い顎を指先で擽られて。

 瞳を細めたヴィヴィは、迷い無く発していた。

「ふふ、お兄ちゃんの、だよ……?」

 そう。

 自分はこの世に産み落とされたその時から、

 ずっと “匠海だけのもの” だった。

 その証拠に、

 この瞳が映してきたのはいつも、

 目の前の兄だけ――

/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ