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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第11章        

「ん……。暖かい」

 薄い布越しに感じる引き締まった躰は、湯たんぽみたいに暖かなのに、柔らかくて。

 馴染みのある心地良さに うっとりと目蓋を閉じれば――

 ほら。

 目の当たりにしたくないモノからは、目を反らせられる。

 ただ、

「……愛してる……」

 暗闇は、耳に吹き込まれる囁きまでは、遮断してはくれないけれど――

「………………」

 弛緩した躰を預けたままの妹へ抱擁を強めてくる兄には、常の余裕は感じられなかった。

 後頭部と腰を抱く掌の力みから、匠海の覚えている不安と焦燥が伝播しそうなくらい。

「ヴィクトリア……。俺が愛してる女は、本当に――」

「おにいちゃん」

 相手の言葉をやんわりと遮ったヴィヴィ。

「……ん?」

「早く、触って?」



 お願いだから。



「え……?」

「ヴィヴィに、キスして? いっぱい触れて?」



 もう、何も知りたくないの。

 もう、何も見たくないの。

 だから、お願い。



「………………」

 甘ったるい懇願に、しばし当惑していたらしい匠海は、

 それでも しなやかな背を抱きながら、シーツの上へと横たえてくれた。

 最初に感じたのは、おでこへの口付け。

 しっとりと押し当てられた唇には、ちゃんと愛情が感じられた。

 厚みのあるガウンの上から、輪郭を辿り始めた大きな掌。

 それは衣服越しでも、兄がそうしたくてしているのだと判ることが出来た。

「気持ち、いい……」



 もっと 撫でて?



「……ヴィクトリア……」

「ふふ。暗くても、見えなくても、お兄ちゃん って判るよ?」

 そう愛らしい声で囁けば、返される囁きも徐々に穏やかなものに変わって。

「俺も、判るよ……。ヴィクトリアだって」

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