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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第12章
12月30日(土)からイタリア入りした双子は、
2日間に渡るショーのリハと、イタリアでのテレビ番組に出演し。
そして、1月1日(月)。
前年に引き続き、イタリア・トリノの地で 2024年という新しい年の始まりを迎えた。
New Year's Ice GALA 2024
ステファン・ランビナール(スイス)
カラリーナ・コストナー(イタリア)
上掲のベテランを中心とした欧州の名立たるスケーター達と、新年の初滑りを飾れるという光栄。
その演目にヴィヴィが選んだのは、今シーズンのエキシビ、
『Mein Herr――あたしの男』 映画「キャバレー」より
ではなく、今シーズンのSP、
『Por una cabeza(ポウ・ウナ・カベサ)』
だった。
その選曲について、翌日――1月2日の朝刊スポーツ欄には、下記のコメントが寄せられていた。
―――――
大切な1年の始まり。
己を奮い立たせる為にも、タンゴ『Por una cabeza』が相応しいと思いました。
この曲が劇中に用いられた 映画「セント・オブ・ウーマン」に、
盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)が、若く魅力的な娘をタンゴに誘う、有名なシーンがあります。
誘いに興味は示すものの「タンゴを間違えるのが怖い」と躊躇する娘に対し、
フランクが囁く言葉が、凄く印象的なんです。
No mistakes in the tango, not like life.
―タンゴは人生と違い、間違わない。
It’s simple.
That’s what makes the tango so great.
―単純な所が素晴らしい。
If you make a mistake, get all tangled up, just tango on.
―もし足が絡まっても、踊り続ければいいんだ。