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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第12章
「VIVI, you are so sexy and Cawaii tonight?"
―ヴィヴィ、今夜の君はとてもセクシーで「カワイイ」ね?」
リンクとほぼ同じ高さのステージに居座り、そんなからかいを寄越してくるMC。
鮮やかなストロベリーピンクの衣装に身を包んだヴィヴィは、共布のグローブに包まれた両手を口元に寄せると、
「とっとと引込みやがれ~」との意志も込め、大きな身振りで投げキッスしてやった。
ちなみに、新プロの衣装は新調した訳では無い。
ジュニアの頃、試合用プログラムに合わせて新調したのに、
『うん、やっぱ、ヴィヴィには違うプロ、作り直すわ!』
ジュリアン元コーチのまさかの鶴の一声で、お蔵入りになっていたピンク衣装だった。
(う~ん。イメージぴったりなんだけど。ジュニアの衣装は、流石に小さいよね~?)
『いやまさか~。私もう大人だしね~?』
何故か自分で何重にも予防線を張りつつ、恐々 袖を通してみたところ、
21歳の今でも、ぴったり身体にフィットしたという――悲しいお知らせ。
(わたし……12・13歳の頃から、体型変わってないとか……orz)
情けない現実に、がっくり肩を落としている暇も無く。
フランスで小さなショップを始めた竹馬の友――ケイトに、大至急 衣装を送ったヴィヴィは、
『どうか、私めの この貧相な胸を、マリリン・モンローばりに かさ増ししておくんなさいましぃ……m(_ _)m』
そう恥も外聞もかなぐり捨てて頼み込み。
結果、
彼女のお店のワンピを着用した姿を、HPに載せる(&報酬も払う)という条件で、急ぎで仕上げて貰ったものだった。
ヴィヴィが新たにエキシビションのプログラムに選んだ曲は、下記の通り。
映画「紳士は金髪がお好き」より
“Diamonds are a girl's best friend
―ダイヤモンドは女子の最高の友”
作詞・作曲:STYNE JULE、ROBIN LEO
なんと、USAのセックスシンボル――マリリン・モンローの代表曲の1つである。
――――
※Diamonds are a girl's best friend
https://www.youtube.com/watch?v=eL7ETLLkQTY