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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第12章
「ていうか、凄いっていうか怖いや……」
『怖い?』
思わず本音を零したヴィヴィに、リーの意外そうな相槌が促す。
「うん。自分が10代の頃って、結構 捨て身で、何でもやれてたから……」
怖いもの知らずで、無鉄砲で。
頑張れば、我武者羅にぶつかれば何とかなると、そう思い込んでいた。
スケートも。
そして、兄とのことも。
『あ~~、そういえば、そうかもね。ふふ……』
遠い地で頑張っている好敵手が漏らした、含み笑い。
彼女にもまた、何か心当たりがあるのかも知れない。
「世界選手権で会おうね!」
前向きに、自分と周りを信じて。
それは例え何歳であっても、同じ筈だから。
『「21歳 ここにあり!」って、見せてやろうね!』
電話の向こうから帰ってきた、気合の漲った言葉に、逆に元気を貰ってしまい。
「お~~っ!!! (`・ω・´)ノ」
スマホ片手に勇ましく片腕を振り上げたヴィヴィに、
妹を探しに来た双子の兄は、不思議そうに首を傾げていたのだった。