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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第12章      

『ぷくくっ まったくヴィヴィったら、チョロ過ぎでしょww』

『ヴィヴィ、冗談だよ、冗談。もう、簡単に騙されちゃって、ほんとヴィヴィは素直で可愛いなあ♡♡♡』

 これでもかと目尻を下げてネタバレしてくる父に、当惑を浮かべていた小さな顔が、一気に紅潮し。

「……~~~っ!?」

 やっと状況を呑み込めたヴィヴィは、ダッシュで隣のサンルームへ移動した。



 だっ 騙されたぁ~~っ!

 自分の両親に……っ 

 きぃいいいいい~~~~っ! 

 ぐや゛じい゛~~~~っ!!!!!!



 サンルームに置かれたクッションを、悔しさと恥ずかしさを誤魔化す為、ボッスボッスと両拳で殴り降ろす。

 その背後では、

『クリスには、ばれてた~~?』

「……当たり前、でしょ……」

 涼しい顔をしたクリスが、温くなった紅茶を啜りながら余裕を見せていた。

『あはは、クリスを騙すには、まだまだだな~~』

 どうして、成人した子供を騙す必要があるのか?

 もしや「オレオレ詐欺」の反対バージョンを愉しみたいのか?

 自分達の両親の不可解過ぎる悪戯に、簡単に術中に嵌まってしまったヴィヴィは、

 また悔しそうに、クッションに八つ当たりするしかなかったのだった。





『ま、そういうことだから。外野は五月蠅いだろうけれど、自分達で考えなさい』

『ダッドとマムは、2人がどんな選択をしても尊重するし。可愛い我が子には変わりないのだからね』

 最後には、そんな “理解ある両親ぶりっこ” をした父と母に、

「「は~~い」」

 双子はそんなヤル気の無い返事を、無表情で返したのだった。






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