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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章
1月 第4週~3月 第2週の計8週間。
ヒラリー・ターム(第2学期)を必至こいて戦い抜いた双子は、その翌日にはオックスフォードから旅立っていた。
3月18日(月)~24日(日)の1週間を掛けて開催される、世界選手権 2024の為に。
今回の戦いの場――スウェーデン・ヨーデホリに降り立ったヴィヴィは、
18日(月)~19日(火)は、試合会場のスカンジナヴィアムでの公式練習に参加。
20日(水)は、午前中に行われたペアのSPに、下城・成田組の応援に行き。
夕方は女子SPの滑走順抽選会に参加し、夜は男子SPのリンクサイドに立った。
そうして迎えた、21日(木)女子SP。
そこでは、
1位 篠宮 ヴィクトリア(日本・21)
2位 ヴィヴィアン・リー(USA・21)
と、21歳コンビがド根性を見せ、トップをキープ。
翌22日(金)には、遠く日本からも沢山駆け付けた観衆の前、堂々たる滑りを見せたクリスは、
あらかたの予想の通り、世界選手権7連覇という偉業を達成した。
ちなみにクリスのこの快挙は、1930年~1936年にかけ7連覇を達成した カール・シェーファー(オーストリア)に並ぶもので。
来季の世界選手権でも連覇すれば、間違いなくギネスブックに載るらしい。
余談だが――
女子の世界女王は、ソニア・ヘニー(ノルウェー)が1927年~1936年にかけ10連覇しているので。
一応15歳から負けなしのヴィヴィでも、全く歯が立たないのであった。
3月23日(土)――大会6日目(競技最終日)
昼から行われたアイス・ダンスのFDでは、日本代表の渋谷兄妹が表彰台に昇り。
遠く離れた日本では、
「今まで中々結果を残せなかったペア&ダンス競技での、日本勢の快挙!!」
と褒め称えられていたらしい。
巷には そんな明るいニュースが溢れているというのに、女子シングルFSの出番を控えたヴィヴィの表情は冴えなかった。