この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第2章    

「おかえりなさい、ヴィヴィちゃん。良ければ一緒にやってみない?」

「あ、は、はい……。ん……、でも私、絵画とか彫刻とか、そういう才能、皆無に等しいんですが……」

 一応頷きはしたものの、いつも周りに「独創的(ヘタ)過ぎる」と言われる自分の美術系の才能の無さに、途端にしょぼくれたヴィヴィ。

「大丈夫よ。絵を描くのとは全然違うわ」

 手招きされ、空いているテーブルのスペースに呼ばれたヴィヴィの前に、スクエア型の黒い花器が置かれた。

「本当に何でもいいの。自分の思った通りに、ここに挿してみて?」

「思った通り……?」

 おずおずと問い返すヴィヴィに、

「ええ、何を使ってもいいわ」

 瞳子は傍にある薔薇やアジサイ、夏らしい向日葵……と、手に取って見せてくる。

「……何を、使っても……いい……?」

 ヴィヴィはそう呟いたのち、薄い胸の前で腕組みをし「う~~ん」と数分唸っていた。

 が、急に何かを思い付いた様に、サンルームを出て行く。
 
 そして何故か厨房へと直行し、目的の物を分けて貰って戻って来たかと思えば。

 枝葉を落とした緑の大きな蕾状のものを剣山にぶっ刺し、その隣にコロンと赤いものを転ばせ。

 数歩下がって、また「う~~ん」と腕組みしたのち、近くにあったグリーンを手に取り花器の周りに巻き付けた。

「出来た……」

 実質たった2分で完成させてしまったヴィヴィに、気付いたサラが傍に寄って来る。

「ヴィヴィ、これ、何を表現してるの?」

 サラが不思議そうに首を捻るのもしようが無い。

 黒くスクエアな花器からにょきりと伸びるのは、40cmの高さを誇る青々としたアーティチョーク。

 傍には何故か、プチトマトが1粒転がっており。

 花器の周りには、グリーンネックレスや蔦性の緑の葉が絡まっていた。

「……宇宙(アーティチョーク)……の、無限さを測ろうとしてる……、身の程知らずの、ミジンコ(プチトマト)……」



――――――――

※アーティチョーク(朝鮮アザミ):花が咲く前の10cm大のつぼみを蒸してガクの下の部分を食べる 
/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ