この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

 頑なに背後を振り向こうともせぬ妹に、兄は軽く嘆息し。

 次いで続けられた言葉は、

「大人しく着いて来た方が、身の為だと思うが――?」

 そんな、脅しめいたものだった。

「………………」

 この男は、いつから不躾な物言いをする様になったのだろう?

 ヴィヴィがかつて知ったる “兄である匠海” は、他者を脅したり従わせたりする言動を取る男では、決して無かった筈なのに。

 ふと抱いた違和感に、フードの下 眉間が寄った、その時。

 目の前に翳された “もの” に、常は愛らしい顔が一瞬 表情を失い。

 そして、

 その数秒後、目蓋も鼻も唇も、

 顔のパーツの全てが、小刻みに震えていた。



 己の目の前に突き付けられた “もの”

 それは、兄のスマホ――

 だけなら良かった。



 4.7インチの、大きくは無い液晶の中、

 一見 白黒写真に思えたそれは “私のすべて” を映し出していた。 



 白シーツの上、

 仰向けに寝そべった己は、目蓋を固く閉じていて。

 暗い画像でも はっきり見て取れる、一糸纏わぬ貧相な肢体。

 そして、

 ぐっしょりと濡れた薄い金の茂みの下、

 白濁にまみれた陰茎を、中程まで銜え込まされた状態で。



「……――っ」

 あまりの自分の姿に、全身の血と力が下へ下へと沈積していくのを感じていた。



 コンプレックスばかりの、己の躰。

 取るに足らない、つまらないそれ。

 それでも、

 最愛の匠海に愛されていた間だけは、

 何物にも替え難い宝物の様な、

 美しく素晴らしいものに、

 思う事が出来ていたのに。


/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ