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第2章 　 　

　亡き夫の遺産を継ぎ、ルルは自分を　“エヴァ”　と呼ぶ画家と結婚する。

　そこへシェーン博士が現れ「結婚するから邪魔をしないでくれ」とルルに言い渡すが、２人は言い争いを始めてしまう。


シェーン博士『俺の所に来るのはやめてくれ。もう終わりにしよう！』

ルル『ご勝手にどうぞ！』

博士『俺は、お前を２回も結婚させてやったぞ。
　おかげで贅沢三昧じゃないか。それでも満足じゃないのか？
　だがな、それに俺を巻きこまないでくれ。
　俺はな、婚約したんだ。やっとだ！
　花嫁はな……穢れのない新居に迎えたいんだ』

ルル『でもあたしと会ったっていいじゃない？　あなたの都合のいい場所で』

博士『もう金輪際、会ったりしないよ。ただ、お前の「ご主人」と一緒なら、話は別だ』

ルル『…………、あたしの「主人」……。
　あたし、この世で誰かのものだとしたら、きっとあなたのものよ。
　あなたがいなけりゃ……あたし、今頃どこにいたかしら。
　あなたは、あたしの手を引いて、
　食べさせてくれ、服を着せてくれた……。
　時計を盗もうとした時だったわ。忘れられるとでも思って？
　この広い世界に、あなた以外の何があるっていうのよ――？』

博士『もう巻きこまないでくれ！
　恩に感じてるというなら、俺の行く手を邪魔しないでくれ！
　俺ん家に四六時中出入りしているのを見られたら、
　お前が人妻だとしたって、何の役にも立たない』

ルル『あっ、そう！』

博士『俺はな、今が落ち着きどきなんだよ。手広くやってる商売にも持って来いだ。だから結婚するんだよ……』

ルル『結婚に反対なんか、するものですか』

博士『それなら、いい加減に解放してくれ！』

（２人目の夫）画家『いったい何事だい？』

ルル『あんたにゃ、関係ないわよ……』

博士『おい、落ち着け！』

ルル『 ……この人、あたしに飽きたんだとさ』

博士『…………、話さなきゃならんようだな……。とうとう、その時が来たようだ……』


　驚く画家に、シェーン博士はルルの過去を洗いざらい暴露し、あまりのショックに画家が自殺する。