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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章
『ああ、ごめんね。ほら、ヴィヴィの好きなズンズン』
鮮烈な刺激を与える乳首を押し潰されながら、充血しまくった肉筒を掻かれるのは堪らなく好くて。
『ぁ……っ ンんっ ぁん~~、やぁ……、ぉ、にぃちゃまぁ~~』
鼓膜が爛れそうなほどドロドロな嬌声を上げる妹を、
兄は夜が更けるまで手放す事は無く――
「……離してっ!」
兄の拘束を力任せに振り切ったヴィヴィは、肌蹴られていたバスローブの前合わせを両手で庇ったが、
すぐに囲われたソファーの背凭れと逞しい両腕の檻の中、懸命に身を捩り顔だけでも兄から背けた。
(信じられない……っ 演技してるって解ってたのなら どうして、あんな風に抱いたのっ)
また匠海の掌の上で踊らされていただけの己を自覚し、情けなさと悔しさを噛み殺すヴィヴィに、
匠海は更に追い打ちをかけてくる。
「朝のバレエだって、そうだろう?」
耳のすぐ傍で囁かれた声に、華奢な肩が勝手に びくりと震え上がる。
「 “魔女” になって誘惑してでも、俺に抱かれたかった――?」
ある男子学生が魔女・サタネラに誘惑されて恋に堕ち、
元からいた婚約者を非情にも捨ててしまう――
そんな、バレエ『サタネラ』のストーリーに沿わせ、挑発してくる相手に、
ソファーの背に縋り縮こまる女は、フルフルと首を振るくらいの抵抗しか出来なかった。
「そして今も そう思って、柄にも無く嘘を吐いた」
「……う、嘘じゃないっ」
「俺が何年お前を見てると思ってる? ヴィクトリアは隠し事する時、呼吸が浅くなる癖がある」
「~~~っ」
思わず両手で口を覆うも、時すでに遅し。
金の髪から覗く赤く染まった耳たぶを、唇で食んできた兄の思惑通り、
その柔らかく濡れた感触に腰あたりからゾクゾクと何かが駆け上がり、ぶるりと大きく震え上がったヴィヴィ。
それは不本意にも、昨夜の淫蕩の名残を引き摺り出すものだったが、
次いで耳朶に吹き込まれた言葉は、発した本人の意図とは異なり、
妹を心底 震撼させるものだった。
「なあ、ヴィクトリア。お前が他の男を受け入れられる訳が無い。
もう充分、理解していると思ったが?」