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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章
『The Eiffel Tower And the Empire State
―エッフェル塔は?
エンパイア・ステイト・ビルは?』
「My pulse was as high
On my very first date
―私の脈拍も高かったわ
生まれて初めてのデートで」
フライングから入ったのは、フリーレッグに額を押し付けたキャノンボールスピン(シットスピンの一種)
フリーレッグを軸足の膝に乗せたパンケーキスピンから、高速のアップライトスピンへ。
『Your grandson's hand,
As he plays with your hair
―孫息子の小さな手は?
君の髪をいじる手は?』
「To be honest,
I really don't care
―正直言って、
そんなもの どうでもいいのよ」
女の歌声に合わせ、口元に添えられた拳。
頬を覆う両掌は震えながら胸前で交差され、
やがて白衣装に包まれた肢体は、芯を抜かれた人形の様に氷の上へと崩れ落ちた。
「I've seen it all
I've seen the dark
―私はもう見たのよ
暗闇も見た
I've seen the brightness
In one little spark
―フラッシュの様な光の
一瞬の煌めきも見た」
疲労を滲ませながら氷面を撫でつつ起き上った、氷屑を纏った身体。
「I've seen what I chose
And I've seen what I need
―自分の選んだものも
必要なものも目にした
And that is enough
To want more would be greed
―それでもう充分なの
これ以上は 欲張りというもの」
時計回りのツイズルから、反時計回りのツイズルへ。