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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第16章     

「う~~ん、じゃあ、水族館はやめておく?」

「……っ!? やめとかない!」

「水族館行くの?」

「いくのぉ~~っ」

「うん、じゃあ、おっきしよう!」

「おっきしない……」

「え……? 立たないと、行けないぞ~~?」

「行かないの!」

「え?」

「行くけど行かないの――っ!」

「……え……?」

「い゛がな゛い゛の゛ぉ~~っ!!!」

「………………(--;)」

――ふりだしに戻る。

で、結局は匠海に抱えられて車に放り込まれた匠斗は、チャイルドシートに乗せようも全身で拒否し。

そのまま屋敷でぐずぐずしていたのだった。

「行きの飛行機も大変だったんだ。まあ、ファーストクラスはうちが貸切状態だったから、まだ救われたけど」

若干げっそりして見える匠海の説明に、長時間のフライト中に狭い空間でギャーギャー喚かれる図を想像したヴィヴィは、それだけでぐったりした。

(イヤイヤ期、やばい……orz)

たまにしか会わない叔母がうまく相手できる筈もなく、でもちょっかいは出したくて途方に暮れるヴィヴィだったが。

意外なことにクリスは匠斗の扱いが上手かった。

イヤイヤし続ける匠斗の傍にひたすら「ぼ――――」としながら寄り添い、機嫌が直ったら適度に遊び。

また発狂したらただ横でぼんやり過ごし、たまにそのまま一緒に寝てしまったりしていた。



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