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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第16章
(………………?)
額の汗を拭っていたハンカチをきゅっと握ったヴィヴィは、一瞬眉を顰めたのち、返事を待ってくれている従姉にへらっと笑った。
「ううん、何でもな~~い」
思ったよりも汗をかいたようだ。
Tシャツの背がしっとりと汗ばんだせいか、そこを凪ぐ窓からの風が寒く感じる。
何だろう。
何故だか解らないが、もうこの三人で三重奏をする事は二度と叶わない――
そんな予感とも直感とも取れる何かが、華奢な肢体に降りてきて。
ヴィヴィは負の色合いを持つそれを体から追い出すように、ぶるりと大きく身震いした。