この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第16章
9月後半に行われた初戦・ネーベルホルン杯で、当たり前のように男女シングルの頂点に立った双子。
10月 グランプリ・シリーズ 第一戦――フィンランド杯
は勿論のこと。
11月 グランプリ・シリーズ 第六戦――フランス国際
12月 グランプリ・ファイナル――カナダ・バンクーバー
は大学のミカエル・ターム(最終学年の第一学期)期間中であるにも関わらず、驚異の集中力と死に物狂いで培ってきた持久力で乗り切った。
昨年は大学との両立や、フィリップとの醜聞に振り回されて結果が残せなかった事から比べると、自分でもその成長に嬉しくなる。
「双子ともに全試合1位」という輝かしい功績を引っ提げ、凱旋帰国した日本の地。
そこでは五輪プレシーズンという事もあり、選手達が引くくらいの報道合戦が繰り広げられていた。
(普段はカメラ向けられる事ほぼ無いから、日本に帰ってくると「自分って有名人だったんだなー」って思い出すわぁ……)
そう呑気に構えつつ、向かえた全日本選手権では双子とも「もう国内にライバルはいない」と周囲に認めさせる程の圧勝で終わった。
12月22日(日)
前日まで行われていた全日本選手権の緊迫感も吹き飛び、All Japan Medalist on Ice 2024はクリスマス直前ということもあり、みんな弾けていた。
日本のトップ選手達が生演奏に乗せて魅せてくれる当アイス・ショー。
もちろんヴィヴィもピアノ独奏に乗せて会場&お茶の間を魅了したのだが、注目を集めていたのはリンク上のヴィヴィだけでは無く――
「ヴィ~~ヴィ、今夜も俺の演奏で痺れさせちゃったかな~~? ってことで、このままホテルにでもしけ込む?」
元教え子の肩に手を置きながらそんなあられもない誘いをかけてくるのは、もちろん白砂 今――ヴィヴィの元ピアノ&ヴァイオリン講師だ。
彼のピアノ生演奏で18歳(2020-2021年)の時のSP、バレエ音楽「ペトルーシュカ」を披露したヴィヴィ。
フィギュアファンならお馴染み――
エフゲニー・プルシェンコ(元トップスケーター) と エドウィン・マートン(バイオリニスト兼作曲家)
並みに、今やヴィヴィと白砂も名コンビとなってしまった。