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淫と乱
第5章 ドロドロ
 
【杏子 View】


 今朝から何と無く違和感があった。

 今朝登校してみれば、恭子先生の代わりに教室に行ってくれとの言葉。

 昨夜、遅くまで会議に出ていた。

 恭子先生もあたしの向かい側に座って、教頭とかに食ってかかっていた。

 解散したのは日付が変わる前。

 今まで無断欠勤なんて無かった恭子先生。

 理由を尋ねれば、出張としか返ってこない。

 出張なんて話は聞いてない。

 いきなりの出張なんて、この時期に有り得ない。

 大体、会議が終わって、あたしと恭子先生が会議室を出たのは殆ど一緒。

 他の先生たちと学校を出た時も、そんな話をしている気配なんてなかった。

 それでも、実際恭子先生が学校に来ていなければ、副担任のあたしが教室に行くしかない。

 何だかモヤモヤする。

 教室に入れば、やはり生徒たちも気になったのか、僅かなざわめき。

 このクラスには恭子先生の義理の娘も在籍してる。

 出席確認で名前を呼んでも、上の空でなかなか返事が無かった。

 出席簿に視線を向ける振りをしてチラチラと視線を向ければ、上の空で慌てて返事をしてきた。

出席確認が終われば、恭子先生についての声。

 やはり、生徒たちも気になっていたらしい。

 しかし、あたしも出張としか言えない。

 それ以外の理由を知らないから言えないのも当然。

 出席確認に続いて、あたしが担当している授業が始まる。

 授業を始めようとした時、一人の女子がフラフラと教室を出て行った。
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