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淫と乱
第5章 ドロドロ
ムキムキ教師のいつもの口調も気にしてる場合じゃなかった。
いつもは、忘れても余り気にしない携帯。
なのに、何故か今だけは暗がりの中でバッグを覗き込んで探す。
脳裏に浮かぶ体育館の光景。
犯されていた部員たちの顔が真希ちゃんに変わっていく。
こんな深夜だから、既に真希ちゃんは家で寝ている筈。
いつも、日付が変わる前にはスヤスヤと眠りについて寝坊までするから、あんなにおっぱいが育ったんだろう。
身長は残念だけど。
と、気を紛らわしても、やはり無い物は無い。
家に居れば安全だと思っても、やはり心配。
「霧島先生? ど、どうしました?」
私の異様な慌てぶりに、流石にムキムキ教師も心配そうにまともな口調で訊いてきた。
「……無ぁい…」
いくら探しても、やはり無かった。
「何か忘れ物でもしました?」
ムキムキの筋肉痛の体を折り曲げて、角刈りの頭に精悍な顔立ちで覗き込んでくる赤ジャージの音楽教師。
「ちょ、ちょっと、取りに戻りますぅっ」
「えっ!? あ、あの、今からっ?」
戸惑ったムキムキ教師の声を背に受けて、私の脚はヒールの音を鳴らして暗い通学路を学校へと進んだ。
普段なら有り得ない行動。
それでも、心の中に積もる不安に引き返さずには居られなかった。