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淫と乱
第5章 ドロドロ
ソファーの前に屈んだワシ。
両手はしっかり霧島くんの乳へ向かって伸びていた。
目が合った。
このタイミングで目が合った。
「……………」
「……………」
無言の時間が怖い。
霧島くんの前で屈んだ儘、動けないワシ。
「………理事…長?」
まだ朧げな感じの霧島くん。
ぷっくりした唇から吐き出された声も堪らん。
「は、はいっ」
返事は元気にが、我が校の校則。
「…ん……んん……」
生徒には負けん、ワシの元気な返事はあっさりスルーされた。
それどころか、シャツが開けた自分の体を見下ろしている。
…ヤバい…ヤバすぎる………
ワシの体勢といい、乳へと伸ばしたワシの両手といい、確実に言い逃れの出来ん状況。
ツツゥと頬を汗が伝う。
「あっ………」
思わず、ワシの口から声が洩れた。
霧島くんがチラッと視線を向けてくる。
慌てて、両手で口を塞ぐ。
…何でさっき…
…目が合った時に能力使わなかったんだっ……
…てか…今だって………
意識して霧島くんを見てみる。
既に霧島くんの視線は、自分の体に向いていた。
ワシのバカ。
能力使えば、あんな事もこんな事も出来たのに。
確実性は低いが、千載一遇のチャンスがあったのに。
ワシのバカバカバカッ。
「…理事長ぉ?」
いつも通りの緩い口調。
意識ははっきり取り戻したようだった。
チャンスが一転してピンチになった。
神様は何処に行ったんだ。