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淫と乱
第6章 ネバネバ
もうすぐ昼休みに入る廊下を進む。
廊下の窓を覗けば、どこのクラスも授業中。
反対側の窓からは、燦燦と太陽の光を浴びた樹木が青々とした葉を微かに揺らす眩しい景色。
いつもと変わらない光景。
でも、胸騒ぎは一向に治まる気配はなかった。
「むぅぅぅ………」
唸ったところで変わらない。
「はぁぁぁ………」
溜め息を洩らしたところで変わらない。
「はぁあん………」
喘いだところで変わらない。
やはり、何をしたところで、気が紛れる事は無かった。
人気の無い、明るい廊下を進むと突き当たり。
左に曲がれば、理事長室やら職員室やらが並び、その先にある保健室へと辿り着く。
右に曲がれば、特別教室が並び、屋上へと続く階段がある。
「よしっ………」
何故か分からない。
分からないけど、真希の脚は右へと向かった。
左には行っちゃいけないと、何かが制止した気がする。
『…そんな訳ないブルッ』
つくちゃんのツッコミが聞こえるようだ。
「…あ………」
つくちゃんを教室に忘れてきた。
しかし、今更授業中の教室に戻るのも面倒。
戻ったところで、また注目を浴びるのもイヤだった。
「…まぁ…いっか………」
真希の脚は特別教室の前を過ぎていった。