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淫と乱
第6章 ネバネバ
「ふぇ?」
思わず間が抜けた声が出た。
我ながら、さっきまで淫らに喘いでいたとは思えない。
それくらい、視界に飛び込んできた光景は衝撃があった。
「うぁ……あ………」
真希のお尻の傍で、声にならない声を出しているセンパイ。
真希が噴き出した潮の上で、腰を抜かしていた。
センパイが腰を抜かすのも分からなくもない。
真希だって、実際は心臓がドキドキ言ってる。
それでも、動く事が出来なかった。
真希とセンパイが見詰める先。
屋上のコンクリートの上を、何かが蠢いていた。
…まさか……また………
瞬時に、公園で見た光景が頭を過ぎった。
あの、ミミズをでっかくしたヌルヌル感のある物体。
「ひ、ひぃっ………」
腰抜かしセンパイが喚く。
見た目バリバリの不良。
屋上の蠢く物体が近寄る度に、後退りをしようとしている。
しかし、思うように動けないのか、ただ喚いているだけ。
何だか、涙やら鼻水まで出てる。
イケメンが台なしだった。
「ま、真希…ちゃぁん………」
台なしセンパイに呼ばれても、真希は動かない。
動けなかった。
膝がガクガク震えてる。
決して、イってる訳じゃない。
十センチくらいの大きさで、ヤケに明るい緑色をした体色。
やはり、ヌメヌメとした光沢がある物体。
「…ダンゴ…虫?」
体の下にある無数の脚で向かってくる姿は、まさにそれだった。
「真希ちゃん、何でそんな余裕なのぉっ!?」
台なしセンパイが煩い。
余裕なんてある訳がなかった。
動けないだけ。
一体ならまだしも、数えるのがめんどくさくなりそうなくらいの数。
それが、真希たちを囲むようにしてジワジワと進んできてたらどうしようもない。
落ち着くしかなかった。
お尻をいつまでも突き出してる場合でも無い事に気付いた。
とにかく、落ち着かなきゃダメだった。