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淫と乱
第2章 ヌメヌメ
 
…てか…どうしよう……


 辺りはすっかり暗くなっていた。

 狭いベンチの上で、M字開脚になった儘困り果てていた。

 ベンチの脇にある唯一の照明がぼんやりと照らしてくれる。

 当然、ベンチの下で蠢いているソレの体も照らしていた。

「う、うわぁ………」

 怖い物見たさに視線を向けてしまった。

 ヌメヌメとしたソレの体は一段とテカりを増して、グロさをパワーアップしていた。

 未だに姿を消さないソレ。

 長時間ベンチの上に居るのにも限界があった。

「何より………」

 ブルッと体が小刻みに震えた。

 日中は暖かかった気温も、日が沈めば下がっていた。

 何より、M字開脚の体勢になっているのが敗因だった。

「ううっ………」

 時折吹く、涼しげな風がショーツの上からアソコを撫でる。

 更にブルッと体が震える。

 僅か数メートルしか離れていないボロボロのトイレ。

 臭く汚いトイレ。

 裸電球一つだけの、小さい頃には絶対入れなかったトイレ。

「……う……また………」

 まるで狙われているかのように、風がアソコを撫でてくる。

 今ほど、あのトイレが愛おしいと思った事は無かった。

「…でも……」

 視線を落とせば、グロさパワーアップのソレ。

 相変わらずクネクネと体を捩らせ、真希を狙っているかのように蜷局まで巻きはじめていた。

「こんな変なのよりぃ……。まともな男の子に狙われたいんだけどぉ………」

 思わず本音が出る辺り、まだ真希には余裕があったらしかった。
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