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淫と乱
第6章 ネバネバ
「げっ…」
思わず声が出た。
目玉飛び出そう。
何、持ち上げちゃってんの、真希ちゃん。
膝抱えてしゃがむだけならまだしも、あの訳分からんヤツ持っちゃってるよ。
「うわぁ、ヌルヌルぅ」
いや、はしゃぎ過ぎでしょ。
怖くないの?
殺されちゃうかもしれないんだよ?
やっぱり天然じゃない。
あの娘は単なるおバカだ。
恐怖感ってのが全く無さげ。
もう、ツッコムのにも疲れた。
幸いな事に、真希ちゃんのお陰で俺の恐怖感は薄らいだ気がする。
体にも力が入るようになった。
股間は湿っぽい儘だけど。
薄情だろうが何だろうが知ったこっちゃない。
何故かあのダンゴ虫みたいなヤツらは真希ちゃんを取り囲んでいる。
俺は完全にノーマーク。
コソッと立ち上がれば、若干膝が震えてるけど大丈夫。
「わりぃな…」
一応、ボソッとアイツらと戯れている真希ちゃんに声を掛けた。
あんなん相手にしてらんない。
注意深く様子を窺いながら、ゆっくり扉に向かう。
「うわぁ…やっぱ真ん丸ぅ」
はしゃぐ真希ちゃんのアニメ声。
胸がズキッとした。
それでも俺は、扉の取っ手に手を掛けた。
ゆっくり開く扉。
胸の痛みが強くなる。
でも、あんなトコには居たくなかった。
俺の体は扉を潜った。