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淫と乱
第6章 ネバネバ
 
【真希 View】


 間近で見てもグロい。

 表面がヌルヌルした感じで、緑色の物体。

 やっぱり見た目はダンゴ虫。

 真ん丸い体がキュンとくる。

 グロさもあったけど、やはり真ん丸い体を目の当たりにしたら二の次だった。

 膝を抱えるようにして屈んで、一番近くに居たソレを両手で掴んでみた。

 やはり、ヌルヌル。

 思わず声が出た程に、見た目そのまんま。

 持ち上げれば、無数の脚がワシャワシャと動く。

 普通に考えたらキモい。

 キモいけど、真ん丸い体で頑張って脚を動かしていると思うと何だか可愛らしく感じる。

 真希の手に因って持ち上げられた物体は、藻掻くように脚をワシャワシャ。

「ふふっ………」

 思わず笑みが溢れる。

 見た事の無い物体。

 真ん丸い体ってだけで、真希は恐怖心を抱いていなかった。

 持ち上げていたソレを床の上に置くと、クルンと体を丸めた。

「うわぁ…やっぱ真ん丸ぅ」

 見事な真円。

 緑色の球体になっていた。

 ツンと突っつけば、コロコロと転がる。

 正に、大きいダンゴ虫だった。

 コロコロと転がるソレを目で追っていれば、他の仲間に当たりながら離れていく。

「ありゃ……」

 気付けば囲まれていた。

 ざっと見ても二十体以上。

 真希の耳にバタンッという音が届いた。
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